第27章 私は阿部グループに入る

有岡里穂はわずかに足を止めた。阿部様がここまで素早く立ち去ろうとするとは思っていなかったのだ。

まだ迷っていると、阿部蓮太郎の声がもう一度落ちてくる。

「おばあちゃんは休ませてやらないと」

その言葉に背中を押され、有岡里穂は慌ててあとを追った。部屋を出る直前、振り返って阿部婆さんへ頭を下げる。

「おばあちゃん、また来ますね」

病室を出ると、有岡里穂は阿部蓮太郎の背を追いながら思った。阿部様は多忙だ。自分と食事をする時間なんて、きっとない。

相手に気を遣わせたくもない。だから先に口を開いた。

「阿部さん。お時間がないなら……ご飯は、なしで大丈夫です」

柔らかな声が耳に触れた瞬間...

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